シュメール神話は世界最古の神話と言っても良いかもしれません。
それほど歴史は古く、謎の多い古代の宗教です。
そんな最古の神話には、旧約聖書でも述べられている洪水物語についての記述があります。
聖書とも関連(?)がある神話とは、一体どのようなものだったのでしょうか?
シュメール神話とは?
シュメール神話は、メソポタミア神話全体に大きく影響を与えた神話です。
文字が発明される前までは、シュメール神話は口づてで語り継がれてきました。
そして、最初の頃は記録手段に過ぎなかった楔形文字が発達することにより、どんどんと宗教にも文字が使われるようになって行きました。
信仰場所と神権政治
シュメールの都市国家では、寺院は一段高い場所に造られた小さなワンルームの物件でした。
その後は、複数の部屋とテラスを持つようにもなりました。
シュメール文明の衰退期には、ジッグラトという巨大な聖塔が作られるようにもなります。
そんなシュメールの歴史についてさらに詳しく知りたい方は、
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メソポタミア文明の一番初めに登場するシュメール文明。シュメール人は都市伝説界では、「アヌンナキ」という宇宙人によって作られたんじゃないの?という噂もあるほどです。果たして、それは本当なのでしょうか?
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王の登場までは、神官の組織による事実上の神権政治が行われていました。
神官たちは、文化や宗教の維持、人と自然の力とを繋ぐ媒介者として働いたのです。
シュメール神の特徴
まるで人間のようなシュメールの神々は、宇宙や地上の自然の力から生み出されました。
自然の神々が、人間の特徴を持つようになってから都市の神々となったのです。
この宗教観の移り変わりは、シュメールの都市国家間でよくあった軍事的争いが影響していたのかもしれません。
争いが起こると、
神々に与えられた権力を王が使っていた
と考えていました。
王は都市国家や神官から権力を与えられていたので、構図としては
都市国家(神) → 王(人間)
ということになります。
主神「アヌンナキ」とは?
最初期のシュメールには、4柱の神々が登場します。
彼らは、お互いにちょっかいを出し合いながらも、協力して創造を行っていたのです。
そして、7柱の神々は「アヌンナキ」と呼ばれ、「地上、冥界の審判者」に分類されます。
アヌンナキは、天(アン)から地上(キ)に降りた者たちを意味します。
- 天空:アン(ドーム状の空を司る神)
- 地上:キ(地上の神)
が担当していました。
彼らは、シュメール神話の中の初めての神様です。
アヌンナキって宇宙人じゃないの?
この解釈は、よく都市伝説好きの人達によって話題になります。
ドーム状の空を司る神アンが、UFOの円盤にいた宇宙人という解釈です。
そして、アンの一部が地上に降り立ち、人間を創造する事を思い付いた。
突飛な話かもしれませんが、こんな考え方が出る程にシュメール文明には謎が多いのです。
シュメール神話の神一覧
シュメールには、3600の神々が存在するとされています。
以下は、主な神々です。
神の名前 | 神の特徴 |
---|---|
アヌ | 天の神。 |
エンリル | 大気の神。 |
エンキ | 淡水の神。男性の繁殖力、さらに知識の神でもある。 |
エレシュキガル | 冥界の女神。 |
イナンナ | 戦いの女神。女性の繁殖力、愛の神。 |
ナンム | 原初の海の女神。天(アヌ)と地(キ)を生んだ。最終的に女神ティアマトになる。 |
ニンフルサグ | 地上の女神。 |
シン | 月の神。 |
ニンガル | ナンナの妻。 |
ニンリル | 大気の女神であり、エンリルの妻。エンリルと同じ寺院に住まうと考えられている。 |
ニヌルタ | 戦い、農業の神。複数いるシュメールの風の神の中の1柱。 |
ウトゥ | 太陽の神。 |
主神アヌンナキのあらすじ
シュメール人は、世界を閉じたドーム状と考えていました。
そして、その外には原初の海が広がり、地表の下には地下世界と淡水の海が広がっていると考えたのです。
ここから、何名かの重要な神様だけをご紹介します。
神のリーダー「エンリル」
まずは、神々の楽園から追放された神のリーダーエンリルです。
最初の神アンとキが創造した神様です。
彼は、大気の女神ニンリルを妻にしようと犯してしまい、他の神々に咎められ追放されてしまうのです。
犯してしまったという生々しい話以外は、少しエデンの園の話に似ていますね。
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人間を創造した「エンキ」
次に、人間を創造した神様エンキです。
神々がどんどん増加して行き、食料が必要になって行きました。
そこで、低位の神々は農作業に追われることになったのです。
この為に知恵の神であるエンキが、神々の代わりに労働者となる「人間」を創り出す方法を考え出します。
その結果、天地を生んだ海の女神(アンとキと同レベの神です)ナンムが、粘土から人間を創造しました。
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その後に、神々は「大洪水」を起こし人間を滅ぼします。
しかし、エンキは王であり信仰深い神官であった人間に、洪水の件の神託を下していたのです。
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神託の後、王は大船を用意し家族や動物の種を乗せ生き残りました。
7日7晩の洪水の後、船から出た王が神々へ牡牛と羊を捧げると、神々は彼に永遠の命を与え、神々の住む土地に住まわせたのです。
シュメール神話のその後
シュメール神話とアッカド文化は相性が良かったからか、急速に統一されていきました。
アッカドの宗教体系のほとんどは、この時に失われたほどです。
シュメールの神々は、アッカド人達の中で発展しました。
ですが、一部はそのままバビロニアやアッシリアまで残ったようです。
例えば、名前の呼び方が変わったりといった違いです。
実は、現在の歴史学者たちが目にする大部分のシュメール神話は、古バビロニアの時代からのものです。
その時代、シュメール語などは宗教的な目的で保存されたのです。
こう書くと、いかに最古のシュメール神話がその後も影響を与えていたかが分かりますね。
まだまだ謎の多い宗教なだけに、今後も歴史的な発見がされるか注目です!
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参考:『シュメール神話』