イースター(復活祭)は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に復活したことを記念するキリスト教において最も重要なお祭りです。
多くの教会で特別な礼拝が行われる他、様々な習慣などがあります。
そんなイースターについて、この記事では簡単にまとめてみました。
これを読めば、ある程度イースターについては詳しくなれるはず!
復活祭の由来とは?
復活祭は正教会(ロシア正教会・日本正教会なども含む)ではギリシャ語を由来として「パスハ」とも呼びます。
その言葉も元をたどれば、ユダヤ教の「過越(すぎこし)の祭り」を表す「ペサハ」というヘブライ語の言葉から来ています。
過越の祭りとは、ユダヤ教の三大祭りの内の一つです。
キリスト教徒にとってイースターが重要なのと同様に、ユダヤ教徒にとってこのお祭りはとても重要なのです。
そんな過越の祭りを詳しく知りたい方は、
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カトリック教会では「(イエス・キリストの)復活の主日」とも呼ばれます。
聖公会やプロテスタントなどでは「復活日」、英語では「イースター」とも呼びます。
イースターの日付
イースターは基本的に、
春分の日の後の最初の満月の次の日曜日
に祝われるので、年によって日付が変更します。
日付は変わりますが、必ず日曜日に祝われます。
キリスト教が優勢な国では、その翌日の月曜日も休日にされることがあります。
また、東方教会と西方教会とでは日付の算定方法が違います。
復活祭は元々太陰暦に従って決められた日だったので、年によって太陽暦での日付が変わります。
ん?太陰暦と太陽暦って何?
と思った方は、
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- 西方教会:グレゴリオ暦の3月22日から4月25日の間のいずれかの日曜日
- 東方教会:グレゴリオ暦の4月4日から5月8日の間のいずれかの日曜日
にそれぞれ祝われます。
グレゴリオ暦とは、現在の暦で世界各国で使われています。
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復活祭は教会暦では「移動祭日」と呼ばれています。
最も重要な祭り(祝日)なので、復活祭によって他の移動祭日が決められます。
大斎と四旬節
正教会、カトリック教会、聖公会、ルーテル教会には復活祭の前に40日間の大斎(たいさい)あるいは四旬節(しじゅんせつ)の期間があります。
しかし、40日間の開始日や数え方は教会(教派)によって違います。
大斎(たいさい)
正教会の大斎は、復活祭の7週前の「赦罪の主日(しゃざいのしゅじつ)」の日没後から始まります。
ラザロの土曜日の前日(金曜日)に一応の区切りを迎えます。
大斎期間中には祈りと食事の節制が行われ、喜びと浄化の時とされています。
毎日特別の礼拝を行い、イエスのエルサレム入城から受難(イエス・キリストがエルサレムで受けた苦難)を経て復活するまでのそれぞれの日を記憶します。
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四旬節(しじゅんせつ)
カトリック教会、聖公会、ルーテル教会などの西方教会では、四旬節は水曜日から始まります。
復活祭前の一週間は「聖週間」「受難週」などと呼ばれ、教会暦の中で重要な時期とされています。
ルーテル教会以外のプロテスタント(改革派教会、メソジスト、バプテストなど)にも、同じように四旬節を守る教会はあります。
しかし、現代のプロテスタントは四旬節にあまりこだわらない傾向があります。
一方、プロテスタント内でも
四旬節の意義を見直そうではないか!
という意見もあります。
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イースター当日
教会暦の区切りは日没頃です。
なので、教会のイースター当日は一般的な暦で言う前日晩から始まります。
正教会
正教会では、復活祭のことを復活大祭と言います。
復活大祭当日の「奉神礼(ほうしんれい)」という祈りは、一般の暦で言う前夜に始まり、
夜半課→早課→一時課→聖体礼儀
と続けて行わます。
夜半課と早課の間には、十字行(聖堂外で行われる行列・行進)が行われます。
普段とは違い、祈祷文が詠まれる部分も聖歌(宗教歌)となります。
これらの奉神礼の際に、
ハリストス(キリスト)復活!実に復活!
という挨拶が繰り返し交わされ、パスハの讃詞(さんし)が繰り返し歌われます。
また、この祈祷の最中に復活の生命を象徴する赤く染められた卵が聖なるものとして参祷者に配られます。
カトリック教会
キリストの受難と復活からなる過越の聖なる3日間は、あらゆる典礼(儀式・儀礼のこと)暦年の中で、最も重要な主日です。
この3日間をまとめますと、
- 始まり:主の晩さんの夕べのミサ
- 中心:復活徹夜祭(夜~明け方)
- 終わり:復活の主日の晩の祈り
となります。
この日にイースター・エッグが配られ、毎年教皇から復活祭のメッセージが発表されます。
イースター・エッグについては、別記事で詳細に解説していますので、
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その他の教会
聖公会では、復活日の聖餐式(せいさんしき)が行われ、イースター・エッグが配られます。
プロテスタントでは特別に復活日(復活祭)を祝う礼拝を行い、イースター・エッグが配られる場合もあります。
復活節・復活祭期
「復活節(ふっかつせつ)」は、西方教会において復活祭からの一定期間を指したり、プロテスタントの一部で復活祭(復活日)当日を指したりします。
それぞれの教会で呼び方が違うのでまとめますと、
- 復活節:カトリック教会・聖公会・ルーテル教会
- 復活祭期:正教会
となります。
ペンテコステ(聖霊降臨)の日まで7週間続きます。
それぞれの教会の教会暦で、読まれるべき聖書の箇所や、特別に行われる礼拝、典礼、奉神礼(お祈り)が決められています。
復活祭期(正教会)
正教会では、復活祭期には
ハリストス復活!実に復活!
との挨拶が信者間で交わされます。
復活大祭からの一週間は「光明週間」と呼ばれます。
この一週間には食品制限などは行われず、この一週間に奉神礼(お祈り)が行われる場合は全て復活大祭と同様の形式で行われます。
光明週間は復活大祭翌主日(翌日曜日)である「聖使徒フォマの主日」まで続きます。
復活節(カトリック教会)
カトリック教会では、復活節の最初の8日間を「主の復活の8日間」と呼びます。
この期間内には主日(日曜日)ではない平日でも祭日のように祝われます。
さらに、プロテスタントの一部では復活祭・復活日当日を復活節と呼ぶこともあります。
復活祭のあいさつ
日本では、
復活祭、おめでとう(ございます)
ハッピー・イースター
などが使われ、英語では
Happy Easter!
となります。
それ以外に、ロシア語の
フリーストス・ヴァスクリェース(キリストは復活した)
に対して
ヴァイーストゥヌ・ヴァスクリェース(まことに復活した)
と答える習慣が世界ではよく知られています。
イースター・バニー
イースター・バニー(復活祭のウサギ)は西欧(西方教会)のみの習慣で、16世紀から17世紀にかけて定着したものです。
英語圏やドイツでは、ウサギをかたどったチョコレートが作られるそうですよ。
ウサギは多くの子供を産むので、豊穣の象徴であるとされています。
さらに、イースター・バニーについて詳しく知りたい方は、
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また、イースターならではの世界各国の料理を紹介した記事もあります。
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旧約・新約聖書のあらすじから、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教までを1冊の本でまとめたものがあります。
聖書の基本から発展編まで、さらに深く知りたい方には持って来いの本なので、
気になる方は、こちらの本もぜひ読んでみて下さい。
参考:『復活祭』