ギリシャ神話の冥界の王と言えばハーデース(ハデス)です。
ハーデースは兄弟のゼウスやポセイドーンとくじ引きをして、冥界を治めることになったのです。
その詳しいお話はどうぞこちらをご覧ください。
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そしてそんな冥界を治めているハーデースの妻であり、冥界の女王としてハーデースの隣にいるのがペルセポネーです。
ハーデースとペルセポネーは夫婦で死者を裁くと言われています。
ここでは、この夫婦について見ていきたいと思います。
ハーデースとペルセポネーの馴れ初め
では冥界を治める二人のカップルはどのように誕生したのでしょうか?
実はこの二人の馴れ初めは穏やかなものではありませんでした。
ハーデース、ペルセポネーに一目ぼれする
最初はハーデースがペルセポネーに一目惚れしたことから始まります。
このハーデースがペルセポネーに一目惚れしたのは実は恋愛の神アプロディーテーのしわざという説もあります。
アプロディーテーについてはどうぞこちらの記事をご覧ください。
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ハーデースに恋をさせて、冥界にあの女を連れて行ってもらいましょう
と画策したのです。
アプロディーテーは彼女の息子であるエロースに頼んで、ハーデースがペルセポネーに一目惚れするように仕向けました。
そんなエロースについてはどうぞこちらの記事をご覧ください。
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エロースの矢が当たったハーデースはペルセポネーに恋をします。
なんだろう、この胸のときめきは…。どうにかして彼女と近付けないだろうか?
そんなことをハーデースは考えていました。
ハーデース、ゼウスに相談する
ペルセポネーがゼウスとデーメーテールの間に出来た娘だと知ると、ハーデースはゼウスにペルセポネーへの求婚の許可をもらいに行きました。
いきなり求婚!?
と思わなくもないですが、ハーデースは真面目な性格で有名だったので、まずは自分の兄弟でありペルセポネーの父親であるゼウスに相談したのでしょう。
ゼウス、君の娘のペルセポネーと結婚したいんだけど、いいだろうか?
いいだろう
ここでゼウスはペルセポネーの母親であるデーメーテールに相談もしないで、ハーデースにペルセポネーとの結婚の許可を出しました。
わわっ、僕はこれでペルセポネーと結婚できるんだ!それじゃあ、ペルセポネーを冥界に連れ出さなきゃ
そうしてハーデースはペルセポネーをどうやって冥界に連れてくるのかを考えるようになりました。
ハーデース、ペルセポネーを誘拐する
あれ、とても素敵なお花だわ
何も知らないペルセポネーはハーデースの策略とも知らず、水仙の花に眼を奪われました。
なんでこんなところに咲いて…きゃー!!
すると、大地が割れペルセポネーは途端に冥界という地下の世界へと落ちていきました。
ペルセポネー、遂に来てくれたんだね
ハーデースはペルセポネーが冥界の世界にやって来たことを喜びましたが、ペルセポネーは号泣しています。
なんてことをしてくれたんですか!上にはお母様がいるのに…。私をここから出してください!
しかし、ペルセポネーと離れたくないハーデースは彼女をそのまま冥界にとどまらせました。
デーメーテールの怒り
ペルセポネーの母親であるデーメーテールは娘の行方不明に気が付きました。
デーメーテールについてこちらの記事でもご紹介していますので、
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どうしてペルセポネーがいないの?彼女はどこにいったの?
おや、ペルセポネーは冥界にいましたよ。どうやらハーデースとゼウスがペルセポネーを冥界に連れて行ったみたいですけど
デーメーテールにそう情報をくれたのは太陽神のへーリオスでした。
ゼウスが!?あの人一体何考えてるのよ!
デーメーテールはさっそくゼウスに抗議をしに会いに行きました。
ペルセポネーを冥界に連れて行くって、あんた一体何を考えているのよ!
ペルセポネーとハーデースを結婚させるんじゃ
何ですって…。そんなこと、私は一言も聞いてないわよ
何を言っておる。ハーデースは冥界の王じゃぞ。何が不服じゃ。ペルセポネーの夫として何も不釣り合いじゃないだろう
ゼウスのこの発言にデーメーテールはブチギレます。
ふざけんじゃないわよ!!!
あまりに怒ったデーメーテールはオリュンポスから姿を消し、地上に下ってしまったと言われています。
凶作がやってくる
大地の豊穣を掌握する女神であるデーメーテールがオリュンポスから姿を消したことにより、地上には大凶作がやってきます。
これはあかんー!
焦ったゼウスはハーデースにヘルメースを遣わしました。
ヘルメースは伝令の神として有名です。
そんなヘルメースについては、
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お迎えに上がりました
ヘルメースがペルセポネーを迎えにきました。
ペルセポネー、良かったら最後にこれを食べないか?
ハーデースはペルセポネーが解放される前にザクロの実を差し出しました。
あら、では少しだけいただくわ
とペルセポネーはザクロを口にしてしまったのです。
ペルセポネー、デーメーテールと再会する
母さん!
ペルセポネー!
こうして無事に冥界から戻ったペルセポネーはデーメーテールに再会できました。
よく戻ったわね。冥界では何も食べなかったでしょうね?
えっ、ザクロを少し食べたわ
ペルセポネーの言葉にデーメーテールの顔が青ざめていきます。
なんてことを…。冥界の食べ物を食べたら、冥界に属さないといけないのよ…
えっ…
こうしてペルセポネーは再び冥界に逆戻りすることになりました。
しかし、デーメーテールは再び神々に抗議をしました。
娘は自らザクロを食べた訳ではないのです。ハーデースに無理矢理食べさせられたのです。こんなの無効よ!
デーメーテールの言葉に神々たちは悩みました。
そして、ゼウスは判決を下しました。
では、ペルセポネーは一年のうち三分の一だけ冥界に下り、冥界の王妃ペルセポネーとしてハーデースに嫁ぐものとする
こうしてペルセポネーは一年のうち三分の一だけ冥界で過ごすことが決まったのです。
ペルセポネーが冥界にいる間、母親であるデーメーテールが嘆き悲しむので、その期間は地上に実りがなくなりました。
この期間を冬と呼び、世界に四季があらわれた瞬間でした。
ペルセポネーとハーデースは不仲?
こうして半ば無理矢理にハーデースと結婚させられ、冥界の女王となったペルセポネーですが、意外にもそれを受け入れ、ギリシャ神話の中では夫であるハーデースの側にいることが多いです。
そもそもハーデース自体がギリシャ神話の中では登場する話がそんなに多くないそうですが、ペルセポネーは妻として冥界の女王としてその務めを全うしているようです。
また、ハーデースの数少ない浮気話であるメンテ―とのお話でも浮気相手であるメンテ―に嫉妬している場面を描いている場合もあります。
メンテーについてはこちらです。
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ただ多くの神々が浮気を繰り返すなか、ハーデースとペルセポネーはギリシャ神話においては純愛カップルと言ってもいいのかもしれません。
ギリシャ神話を実は漫画で分かり易く読むことが出来ます!
あのオリエンタルラジオのあっちゃんこと「中田敦彦のYouTube大学」でも紹介された漫画です。
ギリシャ神話をイラストと共にざっと理解されたい方は、
こちらの漫画もぜひ読んでみて下さい。
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