イード・アル=フィトルとは、イスラム教の祝日でラマダーンの終了を祝う大祭です。
ラマダーン期間中、青年以上のムスリム(イスラム教徒のことを言う)の男女は1ヶ月間断食を行います。
ラマダーン月の断食についてさらに詳しく知りたい方は、
「ラマダン」とは何か?断食を行う理由を分かりやすく解説!
イスラム教では、青年以上の男女は1ヶ月間は毎日(日の出から日没まで)断食をしなければいけません。この記事では、イスラム教徒(ムスリム)がラマダーン月に行う断食についての基本的な知識を分かり易くまとめてみました!
こちらの記事をお読み下さい。
- イード:祝宴
- フィトル:断食の終わり
とアラビア語でそれぞれこういう意味を持ちます。
単純にイードと省略されることも多いです。
イード祭では、ふだん礼拝堂であるモスク(マスジドとも言う)に来てないようなムスリムたちでも参加する事が多くあります。
イード祭により他のムスリムたちと親交を深める事もよくあり、
イード・ムバラク!
と言って、みんな断食を終えた後のこの日を祝うのです。
例えば、これはインドのイードを祝う映像です。
ここまで実際は本格的に祝いませんが、イードはこれくらい楽しく祝うお祭りであることは間違いありません。
この記事では、
イード・アル=フィトルについてやその日の前後で行うこと
について詳しくまとめてみました!
イード祭の前のサダカについて
サダカトゥ(ザカートゥ)・ル・フィトゥルとは、ラマダーン月の間にする施しです。
略してサダカやザカートは、イスラム教で定められた一定額の貯蓄がある人全員の義務です。
一般的に、家長である夫が妻や子供たち全員の分を払います。
サダカやザカートどちらもお金の寄付なのですが、
どう違うの?
と思った方もいるでしょう。
そんな疑問を持った方は、
イスラム教の喜捨「サダカ」と「ザカート」の違いって何?
こちらの記事も併せてお読み下さい。
サダカによって、アッラー(神)はラマダーン中に犯した人間の過ちを許します。
そして、そのお金は貧しいムスリム(イスラム教徒)たちがみんなと一緒にイードを祝う助けとなるのです。
ラマダーン月の間、少なくともイードのサラート(礼拝)の前までにサダカは支払われます。
そして、その金額は
1.633キログラムの小麦か米、あるいは相当額のお金(現代の日本の米約1.5kgの値段は、約1,500~2,000円)
となります。
寄付場所は、貧しいムスリムを自分で捜し与えるか、信頼できるイスラム団体に任せます。
イード・アル・フィトルとは?
ラマダーン月は、
お、新月見つけたぞ!
と始まりと同じように新月を見つけることで終わります。
イスラム暦であるヒジュラ暦のラマダーン月29日に新月が見つかれば断食も終わります。
ラマダーンの始まり方や終わり方についてさらに詳しく知りたい方は、
ラマダンはどれくらい?始まりから終わりまでを徹底解説!
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翌日はたいていのムスリム(イスラム教徒)たちにとっては祝日なので、
断食を無事終えたことに、アルハムドゥリッラー(神に感謝します)
と達成感と満足感で彼らは休むことになります。
もし新月が見つからなかった場合、翌日にはまた断食を行います。
ヒジュラ暦の他の月と同じように、ラマダーン月は29日か30日間であり、それ以上になる事はありません。
ちなみに、祝日の前夜も「ライラトゥ・ル ・ジャーイザ」と呼ばれ価値ある夜です。
なので、意欲のあるムスリムたちは祈りに時を費やすようです。
ラマダーン月の明けた翌日は、イスラームの祝日です。
この祝日こそが「イード・アル=フィトル」です。
この大祭の正確な意味は、断食を終えた事をアッラー(神)に感謝し祝う日となっています。
この日、午前中にムスリム(イスラム教徒)たちは晴れ着を着て広場かモスクに集まり、イードのサラート(礼拝)を捧げます。
晴れ着はイスラム圏の国々によって様々で、
このように派手な衣装を着るムスリム女性もいます。
その後、家族や友達を訪問したり、食事をしたりして幸せのひとときを過ごすのです。
イードの時のサラート(礼拝)
イードのサラート(礼拝)は朝早くに行われ、大体が朝8~10時頃です。
広場か大きなモスクで行われるので、場所が遠い人はそれよりも早起きしなければいけません。
ムスリムは晴れ着を着て広場に集まり、集団でイードのサラート(礼拝)を行ないます。
イードのサラー卜は2ラカーで、普段のサラートのやり方に加えて6回のタクビール(「アッラーフアクバル」と唱えること)を唱えます。
イスラム教のサラートのやり方についてさらに詳しく知りたい方は、
イスラムの『サラート』のやり方【礼拝方法のイラスト付き】
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イードのサラートが終了した後は、イマーム(イスラム教の指導者)の説教があり、その後ムスリムたちは休日を過ごすのです。
イード祭では、ムスリム同士でよく食事を家や外で一緒に食べます。
この日は友達や家族と共に幸せなひと時を過ごすムスリムが多いのです。
イード祭だけでなく、断食期間中も断食明けにわりとムスリム同士で一緒に食事をします。
この断食明けの食事を「イフタール」と言います。
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シャウワール月の任意の断食
ラマダーン月の翌月を「シャウワール月」と言います。
この月に6日間の任意の断食をすることは、
あたかも一年を通じて断食するような報奨がある
と言われています。
イードの日に断食をすることは許されません。
なので、その翌日からシャウワール月中であれば、自由に6日間のサウムをすることができます。
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旧約・新約聖書のあらすじから、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教までを1冊の本でまとめたものがあります。
聖書の基本から発展編まで、さらに深く知りたい方には持って来いの本なので、
気になる方は、こちらの本もぜひ読んでみて下さい。
参考:『イド・アル=フィトル』・『イスラーム アキーダとイバーダ』
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