旧約聖書の『士師記(ししき)』はヨシュア記の続きの書です。
ヨシュア記についてはこちらの記事からご確認ください。
『ヨシュア記』は残酷?あらすじをざっくりと要約して解説!
旧約聖書の『ヨシュア記』ってどんなお話なの?聖書で語られる残酷な戦いの記録とは?モーセの後継者であるヨシュアが聞いた神の声とは?モーセの五書の次に来る旧約聖書『ヨシュア記』のあらすじを分かり易く解説しています!
出エジプトを果たしたモーセ、そしてその後継者ヨシュア。
そのヨシュアが亡くなると、士師と呼ばれる英雄たちがイスラエルの民達を導いていくのが士師記の特徴です。
何を隠そうこの士師記、とにかく分かりにくい!
人物の名前、土地の名前、民族の名前等々、
どれだけカタカナ出てくんねん!
というくらい出てきます。
この記事では、超ざっくりとした士師記をご紹介していけたらと思います。
気になる方はぜひ旧約聖書を開いてみて下さいね。
士師記のあらすじの前に
そもそも士師って何?
というところからまずはご説明したいと思います。
士師とは端的に言うと指導者のことです。
原語の意味は「治める者」もしくは「裁き人」という意味だそうです。
分かりやすく言うと、政治家と裁判官の二つの側面が士師にはあります。
旧約聖書においては、ヨシュアが亡くなってから預言者サムエルが登場するまでの間に古代イスラエルを裁いてきた人々のことです。
士師は世襲制ではなく、支配地域も一部の部族とその周辺に限定されているいわば地方分権に近い形です。
士師は大士師と小士師に分けられ、
- 大士師:他民族からの圧迫から民を救う英雄
- 小士師:裁判人や仲裁者
となっています。
士師記あらすじ
士師記の超絶ざっくり簡潔にまとめたあらすじをご紹介したいと思います。
では参りましょう。
ギデオンの登場
ヨシュアの死後、様々な支配者や士師によって戦いが起こり、イスラエルの民たちはその時の支配者に支配されていきました。
ある時、ギデオンという男性の前に神の使いが現れこう言います。
ギデオン、あなたを士師として任命します
すると、ギデオンはすでにあった祭壇と聖なる木を壊し、そこにヤハウェ(神)の祭壇を築きました。
そんなヤハウェ(神)についてさらに詳しく知りたい方は、
ヤハウェとは?謎の創造神についての正体を分かり易く解説!
かつて神は「ヤハウェ」と呼ばれていました。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教全ての宗教に共通する神(ヤハウェ)とは、どういった存在なのでしょうか?意外と深い話なので、こういう宗教関係に興味ある方はぜひ!
こちらの記事をお読み下さい。
ギデオンの元に32,000人の兵士が集まっていましたが、神はその中から300人を選び出しました。
さぁ、戦いを始めるぞ!
ギデオンと300人の兵はミディアン人と戦いました。
ギデオンと300人の兵はミディアン人たちを取り囲むように分散し、周囲で角笛を吹きました。
すると、不思議なことに敵兵は同士討ちを始めました。
この時に死んだミディアン人は12万を数えると言われています。
サムソンの登場
ギデオンが死んで、その息子アビメレクも死に、さらに何代か士師が登場した後に登場するのがサムソンです。
サムソンが誕生する前は、ペルシテ人がイスラエル人を支配していました。
ある日、神の使いがマノアの妻の前に現れました。
あなたは男の子を産みます。その子はイスラエルを救出する人物になるでしょう
神の使いの言葉通りマノアの妻はその後男の子を産み、その名をサムソンとしました。
サムソンはティムナに住むペリシテ人の女性と結婚しますが、サムソンとティムナの人々は仲がよろしくなく衝突してしまいます。
俺、あいつら気に入らねーんだよな
サムソンは1,000人のペリシテ人を倒しますが、結局ペリシテ人に捕まりサムソンの両目はくり抜かれます。
3,000人のペリシテ人が神殿に集まり、サムソンを見世物にしようとしますが、
俺は…このままでは終われねぇ!
サムソンは最後の力をふり絞り、神殿の柱を倒しペリシテ人を巻き添えにして神殿の下敷きとなり死亡するのです。
その後も様々な士師が登場し、イスラエルの民と他民族との戦いは続きます。
士師記とは?
士師記は様々な士師が登場し、それぞれの時代においてイスラエルの民を導き、争いを起こしたりしていました。
ここでご紹介したのは本当に一部です。
ストーリーというよりは戦いの記録と呼ぶ方がしっくりくるかもしれません。
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参考:『士師記』
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