旧約聖書に登場するエレミヤ書は預言者エレミヤが行った預言について描かれています。
エレミヤ書はイザヤ書、エゼキエル書と並んで、3大預言書のひとつとされています。
そのためエレミヤは、旧約聖書時代の預言者の中でも重要人物の一人として数えられています。
では、彼は一体どのような預言を行ったのでしょうか?
さっそく見ていきましょう!
エレミヤ、預言者となる
エレミヤが神によって呼び出され、預言者となったのは彼がまだ若い時でした。
若い私に預言者など務まりません。どうか神様、辞退させてください
とエレミヤは言いましたが、神はそれを良しとはしませんでした。
エレミヤ、そなたなら出来る。どうか預言者としての使命を全うしてくれ
こうして、エレミヤは預言者として生きていくことになるのです。
エレミヤの預言活動
エレミヤの預言は『北からの災い』についてでした。
皆、神への信仰をないがしろにしているではないか。この神を信仰しないで、神から離れるというこの行為は必ず北から災いを呼びます。どうか皆さん、悔い改めをしてください!
このエレミヤが言う北からの災いという預言は、
という形でその後に実現されます。
エレミヤ、反感を買う
このエレミヤの預言は多くのイスラエルの人々から反感を買っていました。
というのも、エレミヤがいた時代には楽観的な預言を行う職業的預言者の集団がおり、人々はそちらの集団を支持していたのです。
自分の耳に痛くないことを言ってくれる人を人間は支持したくなりますものね。
こうしてエレミヤは段々と迫害をされていくようになります。
神様、どうして私がこのような目にあうのでしょうか。私はただあなたの言葉を人々に伝えているだけなのです。なのに人々は私の言葉を聞くどころか、正しくない者の言葉を信じ、私を攻撃をしてきます。どうしたらいいでしょうか、神様
エレミヤは正しい自分が苦しみ、不正を行うものが繁栄する社会の現実に苦悩し、神にその苦しみを訴えていました。
ネブカドネザル2世がやって来る
そうこうしていると、新バビロニア王国の王であるネブカドネザル2世がエルサレムにやってきます。
ネブカドネザル2世についてはどうぞこちらの記事をご覧ください。
ネブカドネザル2世とは?バビロンの再建者の逸話をご紹介!
新バビロニア王国の有名な王と言えば、ネブカドネザル2世です。彼はバビロン捕囚や多くの建設事業を行いました。バビロンの空中庭園を建設したという噂の人物でもあります。果たして、ネブカドネザル2世はどんな人物だったのでしょうか?
ネブカドネザル2世はエルサレムを侵攻していきました。
しかし、そんなネブカドネザル2世のことをエレミヤは「神の僕(しもべ)」と呼び、
このイスラエルの戦火は神の意思である
と預言したために、仲間であるはずのユダヤ人たちから激しく攻撃されることになります。
エレミヤ!お前は敵の味方をするのか!
エレミヤはただ神の言葉を告げていただけなのですが、民衆は止まりません。
事実、同じようなことを民に告げていた預言者ウリヤは実際に王の手で殺害されています。
エルサレム宮殿の崩壊
ネブカドネザル2世による二度目のエルサレム侵攻ではエルサレム神殿を破壊し、完全にエルサレムが崩壊しました。
その頃、エレミヤは牢獄につながれている状態でした。
しかし、その後もエレミヤは総督であるゲダルヤの加護の下にエルサレムで活動を続けていました。
しかし、そのゲダルヤが暗殺されると、エジプト逃亡を主張する一団に無理矢理連れられ、エジプトへと連行されてしまいました。
このような絶望的な状況の中でも、エレミヤが告げていた預言は未来への希望だったと言われています。
エレミヤ書で語られるエレミヤの言葉の多くは、エレミヤの弟子であるバルクが記録していたと言われています。
こうして預言者エレミヤは波乱万丈な人生を送っていたのでした。
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