旧約聖書の『列王記』に登場するイスラエル王国の三代目の王、それがソロモンです。
ミケランジェロの彫刻のダビデ像でお馴染みダビデの息子です。
ダビデは二代目のイスラエルの王だったので、世襲で王の地位を受け継いだことになります。
ダビデについて知りたいという方は、
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ダビデは多くの戦場を経験したり、どちらかというと戦に秀でた英雄でした。
しかし、ソロモンはダビデとは全く違うタイプの指導者で、戦よりも内政が上手かったと言われています。
ソロモンの時代に古代イスラエルの最盛期を迎えることになります。
しかし、晩年のソロモンは贅沢をしながら、民たちに重税を課したことで堕落な王としても有名になっています。
そんなソロモンとはどのような人物だったのでしょうか?
さっそく見ていきましょう。
知恵者としてのソロモン
先代であるダビデが亡くなると、ソロモンは兄など他の王位継承を狙う者たちとの戦いに制して、三代目のイスラエル王となります。
そして、王となったソロモンはエジプトのファラオの娘を嫁にめとり、ギブオンという町で盛大な捧げ物を行いました。
すると、神がソロモンの夢に現れこう言いました。
ソロモン。そなたの願うものを何でも与えよう
すると、ソロモンは答えました。
では、知恵をください
ソロモンの答えに神は大層喜びました。
そうか、知恵か。それは良いものだ。必ずそなたに多くの知恵を授けようぞ
こうしてソロモンは神から知恵を与えれ、知恵者としてのシンボルを得ることになったのです。
その象徴がソロモンの指輪などです。
ソロモンの指輪についての記載は旧約聖書の正典としては認められていませんが、『ソロモンの遺訓』に記述されています。
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ソロモンの内政
ソロモンは内政を重んじたことで有名です。
外国との交易を広げ、イスラエルの経済を発展させました。
さらには官僚制度などを確立し、国内制度を整えました。
もちろん内政だけでなく、外交面でもソロモンは手腕を発揮しました。
近隣王国と条約を交わしたり、政略結婚を重ねて自国を強くしていったのです。
イスラエル王国に暮らす人々は誰もが安心して暮らすことができたと言われています。
そして、ソロモンは初めてエルサレム神殿を築いたのです。
この時に古代イスラエル王国の最盛期を迎えるのです。
堕落するソロモン
しかし、いつまでも続かないのが繁栄です。
ソロモンによる長い統治は経済的繁栄と国際的名声をもたらしましたが、少しずつ綻(ほころ)びが見え始めます。
民衆は重税や賦役(ぶやく)に不満を持ち始めていました。
つか、ソロモンってユダ族を贔屓(ひいき)しすぎだろ
まぁ、ソロモン自体がユダ族出身だからな…
重税にあいまって、ソロモンのユダ族優遇にも不満が高まりました。
こうして部族分離主義者との対立が拡大していくのです。
このことが後のイスラエルの南北分裂へと繋がっていくのです。
ソロモンの死後
晩年、享楽にふけり財政を悪化させたソロモンですが、死後も世の中は荒れていました。
ソロモンの息子レハブアムが王位を継ぎましたが、彼の非妥協的な性格のため、遂にイスラエルの10支族によりイスラエルは南北に分裂したのです。
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こうしてソロモンの代で繁栄を極めた古代イスラエル王国ですが、南北に分断されバビロン捕囚へと繋がっていくのです。
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参考:『ソロモン』
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