ピタゴラスの定理(三平方の定理)でおなじみのピタゴラスは、古代ギリシャにおける偉大な数学者であり哲学者です。
けれど、ピタゴラスっていまいちどんな人か分からないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんなピタゴラスについてご紹介していきます。
謎が多いピタゴラス
ピタゴラスについてまず冒頭にお伝えしておかないといけないのが、彼はとても秘密主義でした。
ピタゴラスはピタゴラス教団という組織を自らつくり、
- 数学
- 音楽
- 哲学
などをそこで研究していたようです。
しかし、この教団が徹底した秘密主義で内部情報を漏らすことは厳しく禁じられており、もしそれに違反すると船から突き落とされる死刑が待っていました。
そのため、教団内部の研究記録はもちろん、ピタゴラス本人の著作物は後世に一点も伝わっていません。
なので、ピタゴラスに関する情報というのは教団壊滅後に各地に離散した弟子たちの証言などによって伝えられているにすぎないのです。
ピタゴラスの肖像や彫刻などもイメージで作られているので、実際にどういう風貌をしていたのかすらも分かっていないのです。
ピタゴラス教団
ピタゴラスが創設したピタゴラス教団は数の性質を研究することにより宇宙の真理を追求することが目的だったようです。
というのもピタゴラスは、
宇宙の全ては数から成り立つ
という思想の持ち主だったからです。
彼は和音の構成から惑星の軌道まで、多くの現象に数の裏付けがあることに気が付いたのです。
そして、このピタゴラス教団の入団テストが凄まじいほど難しいようで、数学の適性があるものだけが選抜されて入団が許されました。
このピタゴラス教団は古代世界における最も著名な数学研究機関だったのです。
しかし、この教団に入ろうと志願したものの入団試験に落ち、門前払いをくらった人物が恨みを持ち、市民を扇動して教団は打ち壊されてしまいました。
俺を落とすなんて、絶対に許さないからな。全部壊してやる!
こうして暴徒と化した市民によって教団は壊滅、ピタゴラスも殺されてしまったようです。
ピタゴラスと音楽
音楽と数学ってとても遠い存在の二つだと思っていませんか?
実はピタゴラスは音楽にも多大な影響を与えていたのです。
ある日、鍛冶屋の前を歩いていたピタゴラスは何人かの職人が打っているハンマーの音が共鳴して心地よい協和音を発していることに気が付きました。
なんて素晴らしい音なんだろう…。あれ、待てよ?なぜ、そもそもハンマーの打ち付ける音に違いがあるんだろう?
ピタゴラスは作業場に入って調べてみると、ハンマーが奏でる音はその重量と関係があることが分かったのです。
なんて面白い発見だ!
すると、ピタゴラスは弦楽器や笛でも実験を行うことにしました。
おや、弦の長さによって弦の振動数が違うぞ。どうやらこれが音程に関係がありそうだぞ!
そして、ついにピタゴラスは弦の長さの比が振動数の比に関係があることを見抜いたのです。
そして、彼はモノコードと呼ばれる一本のガットと自在に動かせる駒で構成される調律道具を発明したのです。
ピタゴラスと豆
あまり分かっていないピタゴラスの性格ですが、有名なものに豆が大嫌いだったというものがあります。
ピタゴラス教団では全員に豆を食べてはいけないという規制があったほどでした。
理由についてはよく分かっていません。
しかし、相当に嫌いだったようです。
『ギリシア哲学者列伝』という古代ギリシャの哲学者達の生涯や逸話などをまとめた書物によりますと、ピタゴラスの最期は4つの説があり、そのうちの一つが豆畑を通るのを嫌って回り道をしていたら、追っ手に追いつかれて殺されたというものらしいです。
最期について4つも説がある時点で、やはりピタゴラスについてはあまり誰も分かっていないのだと思います。
ピタゴラスとは違い、最期がはっきりとしている古代ギリシャの哲学者ソクラテスの記事もありますので、
ソクラテスとはどんな人?何をしたのか生涯をまとめてみた!
古代ギリシアのアテナイの偉大な哲学者であったソクラテス。彼が説いたことは一体なんだったのか?そして、なぜ彼は死刑で死ななければならなかったのか?小説風のストーリーにして簡単に分かりやすく内容を解説してみました!
興味がありましたらこちらもご覧ください。
参考:『ピタゴラス』
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