女性がチョコレートを送って男性に愛の告白をする日本型バレンタインデー。
世界ではバレンタインデーは愛の祭日として、男性が女性に花などを渡す習慣があります。
世界的な愛の祭日が、なぜか日本ではチョコレートを贈りあう日本型バレンタインデーへと変化していきます。
そんな日本のバレンタインデーについてさらに詳しく知りたい方は、
日本のバレンタインデーのチョコ文化はいつから始まったの?
日本のバレンタインデーはどのようにして始まったのでしょうか?日本のバレンタインデーでは、女性が男性にチョコレートを贈りますよね?実は、この習慣は日本と一部のアジア地域だけって知ってましたか?日本のバレンタインチョコレート商戦の歴史について解説しています!
こちらの記事をお読み下さい。
このバレンタインですが、元々の起源はヴァレンタイン(ウァレンティヌスとも呼ばれる)という聖人が関係していると言われています。
「ヴァレンタイン」とは?
カトリック教会においてヴァレンタインは、
聖バレンチノ(ヴァレンタイン)司教殉教者
と表記されています。
ヴァレンタインはイタリア・ローマの司祭でした。
当時のローマ帝国の皇帝クラウディウス2世がキリスト教迫害を行っていました。
ですが、そんな迫害にも負けずヴァレンタインは人々を救い導き、熱心に宣教活動を行っていました。
この時にヴァレンタインは恋人たちの結婚式を執り行ったりしていたので、
ヴァレンタイン=恋愛のイメージが出来たのではないか?
と言われています。
キリスト教を弾圧していたクラウディウス2世の時代の中で、布教活動を止めないヴァレンタインは邪魔でしかなかったのでしょう。
ちょいちょい、何熱心に宣教しちゃってるの?ちょっともうやめてよね~。っていうことで、君、死刑で
そして、遂にいつまでもキリスト教への信仰を止めないヴァレンタインは絞首刑になってしまうのです。
ちなみに、ヴァレンタインに関する伝説は複数あります。
カトリック教会では、第2バチカン公会議後の典礼改革で実在不明の聖人たちを整理し、それはウァレンティヌスも例外ではありませんでした。
その改革により2月14日の記念日は取り除かれ、現在では公式な祝日としては祝われていません。
ローマ殉教録によると、ヴァレンタインが絞首刑にかかり殉教した日に同名の司教が殉教しているそうです。
そのためなのか、複数の伝説や奇跡などが重なっており、細かいところがそれぞれ異なっているとされています。
バレンタインデーの起源①
ローマ帝国の時代の2月14日は、ローマ神話の女神ユーノーの祝日でした。
ユーノーは全ての神々の女王であり、家庭と結婚の神でもあります。
そんな重要な女神なので、ギリシア神話のヘラとも同一視されています。
この祝日の次の日である2月15日は、作物が豊かに実り収穫の多い年を願うルペルカリア祭の始まる日でした。
当時の若い男女の生活は別々でした。
祭りの前日になると、女たちは紙に名前を書いた札を桶の中に入れました。
その翌日、男たちは桶から札を1枚引きます。
君が、札に書いてある子かな?
は、は、初めまして!よろしくお願いします!!
その札に書いてある名前の女とその男は、祭りの間パートナーとして一緒にいることが決められていました。
そして、そのまま恋をし結婚するパートナーが多かったのだとか。
そんな様子を見た皇帝クラウディウス2世は、
恋人を故郷に残した兵士がいると、兵としての士気が下がるわい
という理由で、兵士たちの婚姻を禁止したと言われています。
そんなの、あんまりだ…!!僕たちは一生の愛を誓いあいたいだけなのに…
と嘆き悲しむ兵士たちを見た、キリスト教の司祭ヴァレンタインは彼らを憐れみ、
内緒ですよ
と言って、密かに結婚式を行っていたのです。
しかし、その噂がローマ皇帝の耳に入ります。
おのれ、ウァレンティヌスめ…!!余計なことをしてくれおって。もう二度とそのような行為をするな、頼むから
とヴァレンタインに命じました。
しかし、ヴァレンタインは
自分の行いに間違いなど何もない。貫き通そう
と皇帝の命令にも屈しませんでした。
最終的に、ヴァレンタインは処刑されたとされています。
彼の処刑の日。
その日はユーノーの祭日であり、ルペルカリア祭の前日である2月14日が「あえて」選ばれました。
彼はルペルカリア祭に捧げる生贄にされたそうです。
このためキリスト教徒にとってもこの2月14日は祭日となり、愛のために死んだヴァレンタインのためか、この日はバレンタインデー(恋人たちの日)となったのです。
この逸話には、こんな歴史的背景があります。
初期のローマ教会は、ルペルカリア祭から異教となる部分を無くそうと努力しました。
ルペルカリア祭は無くすべきだが、ただ禁止をしても反発を招くだけだろうな
とローマ教会は理解していたので、
キリスト教に由来する何か理由が必要だ
と兵士の結婚のために亡くなった司教(司祭よりも位が上)であるバレンタインの助けを借りることにしました。
こうしてキリスト教以前からあったルペルカリア祭は、バレンタイン由来の祭りであるとされ祭り自体はその後も続きました。
くじ引きでパートナーを選ぶ話も、ローマの宗教行事がいかに野蛮かを示すための初期ローマ教会による創設の可能性があります。
バレンタインデーの起源②
ヴァレンタインが起こした奇跡にはこのようなお話があります。
キリスト教の教えを決して捨てなかったヴァレンタインが処刑される前に監獄にいた時のことです。
看守の召使の娘の異変にヴァレンタインが気が付きます。
そこの君、もしかして目が見えないのか?
はい
その娘は盲目だったのです。
それからヴァレンタインはその娘に説教をするようになったのです。
娘も監獄の彼を訪れては彼の話を熱心に聞いていました。
すると、ある日のことです。
私…見えてる!
娘の目が見えるようになっていたのです。
まさに奇跡。
この奇跡を信じた娘の家族がキリスト教へと転向したため、クラウディウス2世がブチ切れます。
あいつ、監獄にいても布教活動しとんのかい!もういい!今すぐ殺せー!
こうしてヴァレンタインの絞首刑は決定してしまいます。
処刑の前日、ヴァレンタインはその娘に手紙を残します。
その手紙には、
あなたのヴァレンタインより
と署名されていました。
このことがあったからなのか、現在もイギリスでバレンタインデーの日に男性が女性に贈るカードには、
From Your Valentine(あなたのヴァレンタインより)
と書く文化があるようです。
日本のバレンタインデーでの贈り物の定番といえば、チョコレートですね。
一方、海外だと男性が恋人の女性に花を贈ることも多いようです。
結婚式を執り行っていたヴァレンタインも、結婚したばかりのカップルには自分の庭から摘んできたばかりの花を贈っていたそう。
なので、日本の男性も今年のバレンタインデーには女性に花を贈ってみてはいかがでしょうか?
日本や海外でのバレンタインデーの祝い方の違いについてさらに詳しく知りたい方は、
バレンタインデーの日本と海外の違いを徹底解説してみた!
バレンタインデーの日にチョコレートを贈るのは、実は日本だけって知ってましたか?海外だとバレンタインデーはどのように祝われているのでしょうか?この記事では、日本や海外のバレンタインの祝い方の特徴や違いをまとめて解説しています!
こちらの記事をご覧ください。
それでは、どうぞ素敵なバレンタインデーをお過ごしください!
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