ギルガメッシュはゲームfateシリーズの人気キャラクターですが、古代メソポタミアの文学作品である『ギルガメシュ叙事詩』も凄かった…。
ギルガメシュ叙事詩はウルクという街の王であるギルガメシュと親友であるエンキドゥを巡る物語です。
そんなギルガメシュ叙事詩のギルガメシュとエンキドゥの二人の関係が、実はボーイズラブ(BL)だという疑惑があるのを知っていましたか?
エンキドゥの存在理由がギルガメシュのため
エンキドゥは人間から生まれたわけではありません。
神によって粘土から(!)造られました。
なぜ造られたのか?
それは暴君ギルガメシュと同等の力を持つ者を造って、彼を戒めるという神々の思惑があったのです。
つまり!
エンキドゥはギルガメシュがいなければ、そもそも誕生しなかったのです。
生まれた時から二人は出会うことが定められていた。
そう、つまりは運命なのです!
似てないようで似ている二人の共通点とは?
王であるギルガメシュと神によって粘土から造られたエンキドゥ。
最初、エンキドゥは森に置かれていたため人間の言葉も話すことができませんでした。
身分も環境も全く違う二人の共通点とは一体なんなのでしょうか?
それは二人ともお互いに出会う以前は、人間性に欠けていたということです。
ギルガメシュは当初、暴君として知られており国民から恐れられていました。
そして、エンキドゥも森の中で獣達と一緒に暮らしていたため、ウルクの狩人達から恐れられていました。
二人とも誰からも好かれるような性格ではなかったのです。
しかし、二人が出会い、お互いに冒険をしていくことにより、英雄として国民から称えられ、お互い(他人)を大事にするという人間らしさが生まれます。
ギルガメシュ叙事詩は友情を通して人間として成長していく姿が描かれていて、そこがとっても感動的なのです。
エンキドゥが神々の判断によって死ぬことが確定して、精神的に不安定になり人々を呪いだすシーンがあるのですが、その時にギルガメシュの守護神であるシュマシュがエンキドゥに
ギルガメシュという親友を得られたじゃないか
と諭すシーンがあるのですが、凄いシーンだと思います。
ギルガメシュに出会い親友となれたことで、エンキドゥの生に意味が出来たのです。
ギルガメシュとエンキドゥの冒険物語
ギルガメシュとエンキドゥの出会いは二人の対決から始まります。
しかし、そこでお互いの力を認め合った二人はもっと巨大な敵に立ち向かっていきます。
こういうストーリーはジャンプとかの少年漫画によく見られませんか?
最初は敵だったけれど、いつのまにか良き仲間であり、良きライバル関係になっている二人。
ギルガメシュとエンキドゥがライバル関係にあったかは微妙ですが、少なくとも二人は良き親友として同じ課題に立ち向かっていくことになります。
冒険物語はいつの時代にも万人受けする物語の一つなのですね。
エンキドゥの死によるギルガメシュへの影響
ギルガメシュ叙事詩において最大の山場かつ、最大のテーマであるのが「死」というものだと思います。
死に怯えるエンキドゥ、そしてそのエンキドゥの死を見たギルガメシュもまた死に怯えることになります。
このどんなに強い二人であっても、死というものを恐れる姿はとても人間らしくて凄く共感が出来ました。
誰かの死を悼(いた)むことが出来るようになったというのは、暴君だったギルガメシュが本当に人間らしさを獲得したところだと思います。
エンキドゥの死後、ギルガメシュは不死を手に入れるために旅に出るのですが、結局は不死を手に入れることは出来ずに返ってくることになります。
その旅の途中で、
人間はいずれ死ぬものだから生を楽しみなさい
と声をかけられているのも名言だと思います。
しかし、一国の王様が旅に出てしまう程の衝撃が親友エンキドゥの死にあったのだということだけは真実なのでしょう。
ギルガメシュ叙事詩についての詳しいいストーリーについては、
『ギルガメシュ叙事詩』のあらすじを分かりやすく解説!
メソポタミア神話の中に出て来る、古代の冒険物語『ギルガメシュ叙事詩』ってどんなストーリー? ゲームfateシリーズの人気キャラクター「ギルガメッシュ」の原作のお話です。 元ネタを知りたい方は必見の記事です!
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