ブラフマーは、インドの主要な宗教であるヒンドゥー教で最も重要な神の1人です。
彼は創造の神であり、宇宙とそれに含まれるすべてのものの創造に責任があります。
そして、ヒンドゥー教の聖典である4つのヴェーダの作成者であると信じられています。
さらに、宇宙の創造、保存、破壊のサイクルを制御すると考えられている3人の神々である三位一体(トリムルティ)の1人です。
今回はそんな創造神ブラフマーの特徴について簡単にご紹介します。
ブラフマーとは?
ブラフマーは、宇宙(惑星など)と様々な生物(人間、動物など)の創造主であると言われています。
そして、ヴェーダの創造主としても知られています。
ブラフマーは、ヴィシュヌとシヴァに続く三位一体(トリムルティ)の第三のメンバーであり、最も重要な存在です。
彼は4つの顔を持ち、それぞれの顔は四方を向いています。
4つの口からはそれぞれから4つのヴェーダを紡いだとされています。
ヴェーダについて知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
『ヴェーダ』の意味とは?種類や内容を簡単にまとめてみた
ヴェーダは、世界最古のインドで編集された宗教文書の総称です。哲学、倫理学、儀式など、様々な知識が含まれています。また、インド神話やヒンドゥー教の神様に関係があります。今回はヴェーダの種類や内容を簡単にまとめてみました。
ブラフマーの妻についての神話
ブラフマーの配偶神はサラスヴァティーであるとされます。
彼女は芸術、学問などの知を司るヒンドゥー教の女神です。
なんとブラフマーが自分の体からサラスヴァティーを造り出しました。
しかし、そのあまりの美しさのため結婚したいと思ってしまったのです。
私と結婚しないか?
サラスヴァティーは
結婚できません・・・
と言ってブラフマーから逃げてしまいます。
ブラフマーは常にサラスヴァティー見るために、前後左右の四方に顔を作りました。
さらにブラフマーに5つ目の顔ができた時、
彼の求婚から逃れられない・・・
とサラスヴァティーは考えます。
最終的にサラスヴァティーはブラフマーと結婚し、人類の始祖マヌが誕生します。
ちなみに、5つ目の顔は後にシヴァに切り落とされることになります。
ブラフマーの姿とは?
ブラフマーは通常4つの顔に4本の腕を持った姿で描かれます。
4つの顔はそれぞれ東西南北を向いているとされ、手には武器ではなく、知識や創造を象徴するものを持ちます。
例えば、以下のようなものになります。
- ヴェーダ
- 数珠(時間を象徴する)
- 儀式で使われるひしゃく(水をくむための道具)
- 水の入った器(全ての生命の象徴である)
しばしば白いひげを蓄えた姿で描写され、これはリシ(聖人)たちのような経験と知識を備えていることを象徴しています。
また、以下のような姿を描かれる場合もあります。
- 蓮の上に座っている
- 白い服(あるいは赤か桃色の服)を着ている
- ヴァーハナのハンサ(神鳥で白いガチョウ)に乗っている
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