メソポタミアの太陽神シャマシュ(ウトゥ)は、何世紀にもわたって歴史家や考古学者を魅了し続けてきました。
シュメール神話が起源とされるシャマシュは、正義、真理、正当に関連する強力な神です。
また、太陽と関連づけられ、世界に光と暖かさを与える役割を担っています。
そのため、シャマシュは古代世界、特にメソポタミアで尊敬されるとともに恐れられてきました。
シュメールの王からバビロニアまで、シャマシュは重要な神であり、時代を超えて無数の神話や物語にインスピレーションを与えてきました。
シャマシュの影響は中東全域に及び、古代世界における彼の重要性は計り知れません。
そんなシャマシュについて分かりやすくご紹介!
シャマシュとは?
シャマシュ(ウトゥ)はメソポタミアの宗教において重要な神で、古代メソポタミアの太陽神です。
正義と旅人の保護を司っていました。
毎日天空を旅して、地上で起こるすべてのことを見ていた
と信じられていました。
夜明けの女神アヤと結婚し、
- キトゥム
- マム
- イシュム
という子供を持ちました。
ちなみに、シャマシュはドゥムジやギルガメシュのような他の神々の冒険を助けていました。
シャマシュの名前
メソポタミアでは、太陽神には主に以下の2つの名前がありました。
- ウトゥ
- シャマシュ
また、アムナも使われました。
- ウトゥ:男性神
- シャマシュ:女性神
とされることもありました。
この他にも、さまざまな呼び名やバリエーションがあったようです。
シャマシュの姿
太陽神ウトゥまたはシャマシュは、多くの古代遺跡で知られています。
彼は通常、のこぎりを持ち、肩から光線を出している姿で描かれています。
ノコギリは裁きの印、あるいは山を切り開くための道具であったのかもしれません。
ウトゥは古代の神で、印章に描かれるのが常でした。
二つの山を越えていく姿や、船に乗っている姿がよく描かれています。
また、他の神と戦っている姿もよく描かれ、時にはイナンナが見守る中、あるいは助ける姿もありました。
人々は彼のシンボルである太陽円盤を使ってシャマシュを表現しました。
彼は多くの遺跡で知られ、その姿は美術品にも使用されました。
崇拝の対象に
太陽神シャマシュは、ラルサとシッパルの二大教団で崇拝されていました。
人々はシャマシュに棍棒の頭や像を捧げ、月の特定の日に祭りを行ったのです。
シッパル
シッパルのエババルはシャマシュ神を祭る神殿でした。
長い間、様々な支配者がこの寺院を訪れ、贈り物をしました。
この寺院には、シャマシュに献身するナディートゥと呼ばれる特別な女性たちがいました。
また、エババルではシャマシュを祀る特別な儀式があり、何年も祝われてきました。
ラルサ
ラルサのエババルは、エアナトゥム王の時代に初めて言及された神殿です。
その後、さまざまな支配者によって建て直され、変化してきました。
太陽神はラルサとウルクに祀られ、ウルクはある時期からラルサより力を持つようになったのです。
新バビロニア時代には、ウルクの人々がエババルとその神々の世話をしていました。
ヘレニズム時代には、ラルサに住んでいたのはほとんどがギリシア人でした。
その他の都市
ウトゥは、数千年前にラガシュの地域で崇拝されていた古代神です。
人々はウトゥのために神殿を建て、
- シュブル・ウトゥ
- ウトゥ・アム
といった名前を子供に付けました。
- バビロン:エディクカランマ
- アスール:エフルディルラ
とウトゥがそう呼ばれる神殿がそれぞれありました。
また、スーサやマリでも崇拝されました。
パルティア時代のハトラでもウトゥは崇拝されていました。
ギルガメシュ神話
シュメール神話の『ギルガメシュ叙事詩』では、ギルガメシュとエンキドゥが森の番人フンババの住処へ旅に出ます。
フンババとの闘い
彼らは太陽神ウトゥに許可を求め、道しるべとして7つの星座を授かります。
その後、フンババは死を前にしてウトゥに祈りますが、その願いは叶わず…。
エンキドゥも冥界に行くことになり、ギルガメシュはエンキに助けを求めます。
そんな英雄二人と伝説上の巨人フンババの戦いストーリーについて詳しく知りたい方は、
フンババとは?メソポタミア神話を分かり易く解説してみた!
古代メソポタミアの巨人フンババは、何世紀もの間、謎に包まれてきました。現存する最古の文学作品の一つ『ギルガメシュ叙事詩』の中で、フンババは杉の森を守り、ウルクの人々を恐怖に陥れる恐ろしく強力な生物として描かれています。そんなフンババとは一体何者なのでしょうか?
こちらの記事をお読みください。
エンキドゥを救いたい
ギルガメシュは、友人のエンキドゥを冥界から救うために、神々に助けを求めました。
女神イナンナはギルガメシュに、
ある生き物を追い払うのを手伝ってほしいの
と頼みましたが、ウトゥ神はそれを拒否しました。
そこでエンキがウトゥにこう言いました。
エンキドゥが蘇るときにその影を持ってくるように
ウトゥはエンキドゥの陰を取り戻し、ギルガメシュとエンキドゥは再び会うことができるようになったのです。
シャマシュについて
『ギルガメシュ叙事詩』では、ギルガメシュはシャマシュという太陽の神と出会い、旅を助け、助言を与えています。
彼はまた、永遠の命を求めることについてギルガメシュに警告しています。
さらに、太陽神シャマシュが大洪水の開始を告げて人々を助けています。
コメントを投稿