ヴェーダは、インドで編集された世界最古のの宗教文書の総称です。
哲学、倫理学、儀式など、さまざまな知識が含まれています。
ヴェーダには様々な種類があり、中には別の名前で呼ばれているものもありますが、今日でも尊敬され続けています。
今回はヴェーダの種類や内容を簡単にご紹介します。
ヴェーダ とは?
ヴェーダは長い時間をかけて口述や議論を受けて来たものが後世になって書き留められ、記録されたものです。
そして、ヴェーダの語源はサンスクリット語の ヴェーダ で「知識」を意味します。
ヴェーダはシュルティ(天啓)とスムリティ(聖伝)に分けられます。
シュルティとは?
古代のリシ(聖人)達によって神から受け取られたと言われています。
口伝でのみ伝承されて来たとされ、文字が使用されるようになっても文字にすることを避けられ、師から弟子へと伝えらてきました。
後になって文字に記されましたが、実際には、文字に記されたのはごく一部とされています。
4つのヴェーダとその中に含まれる4種類のテキストが含まれます。
スムリティとは?
シュルティとは対照的に他にリシ達によって、伝統的に書き留められたヒンドゥー教のテキスト本体です。
ヴェーダとは区別されスムリティには、
などがあります。
ヴェーダの4つの部類とは?
各ヴェーダは、
- サンヒター:マントラと祝福の言葉
- ブラーフマナ:儀式、式典、犠牲に関する解説
- アランヤカ:儀式、式典、犠牲、象徴的犠牲に関して
- ウパニシャッド:瞑想、哲学、精神知識について
の4つに分類されます。
サンヒター
サンヒターとは、ヴェーダの元々の本体部分のことを言います。
これに付属するブラーフマナ、アーラニヤカ、ウパニシャッドといった注釈、解説、思想哲学部分と区別するために、この名前が用いられています。
ヴェーダの中心的な部分で、マントラ(讃歌、歌詞、祭詞、呪詞)により構成されます。
サンヒターは以下4種類あります。
- リグ:神々への韻文讃歌集。
- サーマ:『リグ・ヴェーダ』に材を取る詠歌集。インド古典音楽の源流。
- ヤジュル:散文祭詞集。神々への呼びかけなど。
- アタルヴァ:呪文集。主にバラモン教の呪術的な儀式典礼が記される。
ブラーフマナ
ブラーフマナは上記4種類のサンヒター(讃美歌とマントラ)に付属しています。
各ヴェーダの中に組み込まれたサンスクリット語のテキストで、ヴェーダの儀式(その中で関連する讃美歌とマントラが唱えられる)を説明しています。
サンヒターの象徴や意味を説明するだけでなく、観測天文学や特に祭壇の建設に関連した幾何学(きかがく)など、ヴェーダ時代の科学的知識についても解説しています。
アランヤカ
アランヤカは、古代インドのヴェーダの中で、儀式の犠牲の意味に関する部分です。
様々な観点から儀式を記述し、議論しており、中には哲学的な思索を含むものもあります。
ブラーフマナに次いで編集されました。
その為、ブラーフマナとウパニシャッドの中間的な内容と言われています。
ウパニシャッド
ウパニシャッドとは、ヴェーダ後期のサンスクリット語文書で、後のヒンドゥー哲学の基礎となったものです。
ヒンドゥー教の最古の聖典であるヴェーダの最も新しい部分となり、以下の内容を扱います。
- 瞑想
- 哲学
- 意識
- 存在論的知識
また、ヴェーダの初期の部分では以下の内容を扱っていました。
- マントラ
- 祝福
- 儀式
- 式典
- 生け贄
ウパニシャッドは、インドの宗教、文化史上最も重要な文献の1つとされています。
コメントを投稿